2024.9.1(日)
スピリチュアリズム思想体系【Ⅰ】…⑤
(1)スピリチュアリズムの死後世界観の概要
(2)従来の宗教の死後世界観と
シルバーバーの死後世界観の比較
人間は誰でもいつか必ず死を迎えます。死を迎えた人間が最初に赴く霊的世界が幽界です。幽界とはどのような世界なのか?そこでどのような体験をするのか?について2回に分けて学習していきます。今回は1回目の学習になります。
(1)スピリチュアリズムの死後世界観の概要
死 → 死の直後 → (死の自覚)(身体の調整)→ 幽界 → 霊界
まず、死が訪れます、死の直後にさまざまな体験をすることになりますが、ここで重要なことは死の自覚です。死を自覚できないと幽界での生活に入っていくことはできません。
死の直後には死の自覚と同時に身体の調整が行われます。死を迎えた人間は、肉体を脱ぎ捨て霊体だけになって生活することになるため身体の調整が必要になります。
死を自覚すると指導霊に導かれて幽界に入っていきます。幽界は霊界の一部で、霊界の中でもっとも低い世界、地上に一番近い霊界です。
*幽界は霊界へ行く準備をするために一時的にとどまる世界 = 過渡的世界
《幽界での目的》
*地上的意識・地上臭を拭い去る = 霊的純化(純粋な霊的存在)
↓
*霊的純化のプロセスを経ることで霊界へ行く準備が整う
↓
*霊界(本格的な死後の世界)で永遠の霊的成長のプロセスを歩む
(2)従来の宗教の死後世界観とシルバーバーチの死後世界観の比較
◎二分的他界観――もっとも一般的な他界観(キリスト教・イスラム教)生前の善悪の行為によって死後、天国か地獄へ行く
(※善とは…その宗教の教義に忠実であるかが基準となる)
天国 = 明るい、幸福な世界・神の支配
地獄 = 暗い、苦しみの世界・悪の支配
↓
2つの善悪の世界が対立
◆さまざまなバリエーション
〈ダンテ〉
天国 = 明るい、幸福な世界・神の支配
煉獄 = 洗礼を受け罪を清めた後に新たに罪をつくった場合、天国へ行くために浄化をする世界
地獄 = 暗い、苦しみの世界・悪の支配
※生前教会の発行する“免罪符”を購入することで、死後、煉獄に行くことから逃れられるとしている
〈スウェーデンボルグ〉
精霊界(過渡的世界)を経て天国か地獄へ行くと考えられている
天国 = 霊国よりさらに明るい、幸福な世界・神の支配
霊国 = 明るい、幸福な世界・神の支配
地獄 = 暗い、苦しみの世界・悪の支配
◆輪廻的他界観
〈古代インド宗教〉
人間は生と死の間を行ったり来たしていて、この輪廻のサイクルにいる間は苦しみの中にあるとしている
解脱を目的とする生と死の機械的な輪廻の果てに、そのサイクルから抜け出し、幸福・理想の世界(ニルヴァーナ)に
至ることができる、そこでようやく救いを得ることができる
〈仏教〉
解脱を目的としているが、解脱までには魂の生まれ変わる先が6つ(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天上界)
あり、この六道輪廻のサイクルから脱け出すまでは人間は苦しみの中にあるとしている
※前世は犬や猫であったり、来世が虫や鳥などの場合があるとした考え方
◆多層的他界観――死後の世界は、地上世界を含め(次元の異なる)複数の階層からなる
神智学、人智学、新宗教(幸福の科学、GLA)、初期のスピリチュアリズ(マイヤース、コナン・ドイル)
〈神智学〉
死後の世界は、地上世界を含め7つの階層からなる
階層=明確な境界線のある地理的区分(マンションやビルの1階、2階としたもの)
※いろいろなバリエーション
伝統宗教よりも死後の世界を深く理解している新宗教の方が進んでいるとした考え方
3次元世界、4次元世界~10次元世界(新宗教のトレンド)
※初期のスピリチュアリズムの多層的他界観…神智学の影響
◎シルバーバーチの死後世界観(シルバーバーチによって明らかにされた唯一・真実の他界観)
死後の世界は、無数の界層から構成される1つの世界 = 地上圏霊界
※地上圏霊界=地上での体験によって霊的成長をしていく段階の霊が住む世界
界層=地理的区分なし、グラデーション的区分(虹のような)
霊的状態の異なる界層が連なり、その間に境界線はなく、1つの霊界の中にすべての界層が重複して存在している
無数=何千、何万の界層
他の宗教が説くような限られた階層や二分的な他界観と比較すると、シルバーバーチの他界観の次元の高さ卓越性が明確
になります
シルバーバーチの言葉
「霊の世界は、境界線によってどこかで区切られているわけではありません。進化のレベルの低い界層から高いレベルの界層へとつながっていて、その間に境界はなく、すべての界層が1つに融合しています。」
(シルバーバーチの教え・上)
〈後半の学習〉
スピリチュアリズム普及会の第一公式サイトより以下の項目を抜粋し、輪読で確認しました。
スピリチュアリズム思想体系Ⅱ 2.神の摂理(法則)について
――人間だけに与えられた自由意志による営み
*自由意志は「神の摂理の支配」に矛盾するものとして、これまで宗教・神学・思想上の大きなテーマとされてきました。スピリチュアリズムは、この自由意志の問題に明確な解答を示しています。
✿参加者の感想
●これまで従来の宗教は霊的無知から間違った死後の世界を説いてきました。それによって信者を摂理から外れた方向へと向かわせてしまいました。「霊的成長」を基準とする善悪論(教え)を示すことができなかったために、間違ったことやどちらでもよいこと(価値がないこと)を善、天国にいける道だと教えてしまいました。
シルバーバーチの死後世界観と自由意志の抜粋から考えると、地獄は自らの自由意志の悪用によって、その摂理違反によって自分自身でつくり出すものであるということが分かりました。(後悔の念)また、天国とは地上での不自由な生活の中で、本能に負けそうになりながらもそれでも霊的真理にしがみつき、実践し、それによって得られる霊的成長であるということがわかりました。私たち人間の霊的親である神の願い、意図、配慮、愛を常に想い、それを日々の生活の中で、自由意志による最善の選択を形として表し、神の願いに応えることができる歩みを続けていきたいです。
●真の死後世界観に霊的成長を目的とした地上での人生を終え、幽界を経て霊界でも永遠の霊的成長をしていくのだろうと感じました。霊界に地上界で様々な霊的レベルが混在するのとは違い界層に分かれることを知り、地上での生活をより霊優位に近づけ利他愛を実践し、苦しみを受け入れ神の摂理を信じることがいかに大事か学びました。
愛を与えられ、与える関係性の中に最高の幸福が存在し、絶対的な神の摂理のもとに自由意志があるという、人間としてその責任に神の一部だという自覚と大きな使命を再度気づかされました。
一人の親として子どもに与える愛に例えられとても解りやすく、一つの小さなコミュニティで実践できることに喜びを感じます。
●今回も死の直後での死の自覚の大事さと、従来の宗教の死後世界観から人間の空想による弊害、シルバーバーチよって示された死後世界観の事実を改めて学び、霊的知識を広げなくてはいけない、既存の宗教を一掃しなくてはいけない、霊的無知を霊的知に変えるためにも霊界の道具として日々努力しなくてはと強く思いました。80数億の地上人の中でスピリチュアリストはまだまだほんのわずかです。今学んでいるスピリチュアリズムを血とし肉としていつでも潜在意識から取り出し、時期のきた人に真理を手渡せるよう学びを深めてまいります。
そしてもう一つ学びがありました。「神の摂理と人間の自由意志」を輪読し、人間だけが神の愛によって自由意志が与えられている事実、全ての生命体に神の愛を注げられる存在になるためにも「霊優位・利他性」の摂理を実践してまいります。
●霊界では異なった霊的成長の類魂グループの界が重複して存在し、他の界同士が基本まみえることがありませんが、地上ではあらゆる界の霊が同じ地上に一緒に存在し、霊的無知からさまざまな問題が起こっています。その中においてすべての地上人の出所は1つの霊界であり、どの段階においてもより霊的成長の低いとされる人々も(自分を含めて)、そこより高い方向へと進む途中段階であることを理解し、問題・難に甘受と自由意志の選択をしていく利他愛の実践をしていかなければならないと、自然に得心がいきました。そのことにより実際、現実的にこの地上にあってより生きやすくなっていくのだとの希望を再確認できました。
●今、「真の宗教とは」の講義発表の練習をしていますが、キリスト教など他の宗教とスピリチュアリズムの死後世界観の違いについて知ることができ、有意義な時間となりました。やはり「間違った教えを説き、人類をれいてきせいちょうの道から遠ざけてきた」という一言につきると思いました。
「自由意志」については神の私達に対する愛の想いから与えられたということであらためて確認しました。この自由意志については奥深さを痛感してしまいます。摂理に沿った実践ができているのかと自問自答の毎日ですが、もっと真理の学びを深め実践を重ねていく必要があると思います。
●従来の宗教の二分的他界観では、宗教の信仰を守った人だけが天国に行くことができるという考えがあり、これが幽界における宗教の霊的牢獄を作る大原因であるということが理解できました。
日々の真理の実践と普及活動によって、幽界と地上世界の浄化を実現できるよう努力していきたいと思いました。そして、シルバーバーチの死後世界観で述べられていた地上圏霊界を早く卒業できるように、人間としての正しい自由意志の行使と他人や動植物への愛を最大限実践していきたいと思います。
●これまでなんとなくどの宗教も死後の世界について語っており、それなりの内容がありそうに思っていました。しかし、本日の学習で何が足りないのかが少し明確にできたように思います。西洋では、その思想に霊的レベル観と再生の概念がなく、東洋では、死後の世界が明確になっていないうえに、霊的成長という概念もなく死後の世界観としては全く足りていないと理解しました。
後半の神の摂理と人間の自由意志のところでは、自由意志があることによって自らの責任で選択したことについてその結果を自ら受けとめるため、真の学びや気づにつなげることができありがたいと思います。
●自由意志を持つ人間の義務と責任を知ることの重要性を感じました。神から与えられた自由意志を活用して、摂理に一致した生き方をできるように霊主肉従の状態を保つ努力をしていきたいです。そしてそのうえで利他愛の実践をできるようになりたいです。霊優位の状態を常に保つことは簡単ではありませんが、自由意志を与えられている以上、善にも悪にも自分で変えることができるということを忘れてはいけないと改めて思いました。自分の意志で魂を成長させ、自分の力で神に近づけるように、そして神が“地上世界を人間の愛による支配が及ぶ世界にしよう”と計画されたことを知り、神の愛をより強く感じることができました。