2024.12.1(日)

 

スピリチュアリズム思想体系【Ⅰ】…⑥

    「死後世界観(他界観)ー霊界」

 

(1)霊界の界層

(2)霊界の界層への住み分けとそこでの

              共同生活

(3)霊界の環境と様子

(4)地上の愛のゆくえ 

 

 

学習内容は4つの項目から成り立っています。

今回は、(1)霊界の界層

    (2)霊界の界層への住み分けとそこでの共同生活について学びました。

   

人間は死後、自分が死んだことを自覚すると幽界に入ります。幽界では地上人生で沁みついてしまった地上的意識や地上臭を拭い去るために、霊的純化のプロセスを歩むことになります。幽界で霊的純化がなされると、いよいよ本格的な死後の世界である霊界に入っていきます。この霊界こそが本来の住処であり、永遠の霊的成長の道を歩む世界です。

人間にとって本来の死後の世界である霊界とはどのような世界なのか?そこで霊たちはどのような生活をしているのか?スピリチュアリズムによって初めて霊界の様子が明らかにされました。人間にとって永遠の住処となる霊界の実情を知ることで、地上人生の捉え方が変わってきます。シルバーバーチの言葉で確認しながら学習しました。

 

 

(1)霊界の界層

 

シルバーバーチによって明らかにされた唯一真実の他界観と、従来の宗教で説かれている他界観の違いを確認しました。

シルバーバーチの画期的な他界観によって、霊界の界層についての真実が明らかになりました。

 

・二分的他界観――キリスト教とイスラム教に代表されるもっとも一般的な他界観

        (世界人口の6割以上を占める人間が、キリスト教とイスラム教を信仰しています。)

 

        ◎生前の善悪の行為によって死後、天国か地獄へ行く

         天国 ―― 明るい、幸福な世界=神の支配

         地獄 ―― 暗い、苦しみの世界=悪・サタンの支配

世界人口の半数以上の人間が、死後の世界は2つの善悪の世界が対立していると信じています。

 

・多層的他界観――死後の世界は、地上世界を含め複数の階層からなる

         神智学、人智学、新宗教(幸福の科学、GLA)、初期のスピリチュアリズム

                                   (マイヤース、コナン・ドイルなど)

          ◎神智学では、死後の世界は地上を含めた7つの世界(階層)から成り立っているという7世界論を説いて   

         います。霊体も複数あり、進化して階層をあがる毎にその階層に相応しい霊体で生活するようになると説   

         いています。一見論理的な説に当時のスピリチュアリストも影響を受けることになりました。

 

・シルバーバーチの他界観

         ◎霊界は無数の界層から構成される1つの世界

         地理的な区分はなく、虹のようなグラデーション的区分で、上の界層と下の界層が連なって存在している

                         ◎すべての界層が重複して存在している

         無数の界層が同じ場所に次元を異にして存在している

         ◎霊的成長度によって赴く世界が決定する

         霊的成長レベルに見合った界層に自動的に引き寄せられる 

         ◎霊的成長度に伴い、より高い界層へ移動していくようになる

         すべての霊が霊的成長を目指して生活しているため、いずれ高い界層へ移っていく

 

 

〈シルバーバーチの言葉〉

「霊界には幾層にも連なる生命の世界(霊界)が存在します。そこでは生活する者の霊的成長度によって住み分けがなされています。段階的な上下の差があり――互いに融合し合っておりますが――それぞれの界層には、そこに住まうだけの霊的成長を達成した者が一緒に生活しております。」

                                                     (The Seed Truth

 

 

 

(2)霊界の界層での住み分けとそこでの共同生活

 

        ◎霊的親和性によって霊的グループ(霊的家族)を形成する

         情緒や志向などあらゆる面において類似性・共通性をもった霊たちが、霊的親和性という神の摂理によっ   

         て自動的に引き合いグループを形成します。  

        ◎異なる界層間での自由な交流はなく、厳格な住み分けがなされている

         特別な事情がない限り、上下間の自由な交流やコミュニケーションはありません。

         ◎霊界には無数の霊的家族が存在する

         十数人の小さなものから数百、数千人という大きなものまで存在します。

         家族ごとに共同生活を営む

         ◎全員が何らかの仕事に従事する

          ・完璧な適材適所が実現している

         一人一人の霊性や知性や能力に見合った仕事に就くことになります。

          ・他者への奉仕活動=“利他愛の実践”

         仕事を通して霊的成長を為すように神によってつくられている。

 

霊界では地上のように肉体を維持するための仕事は必要なくなります。生活をするための辛い仕事や嫌な仕事もなく、霊界では完璧な適材適所によって喜びの中いきいきと自分に合った仕事に携わることになります。

すべての霊が神の愛の法則(摂理)のもと、利他愛の実践によって心の底から喜びを味わいながら霊的成長の道を歩んでいくことになります。

 

 

〈シルバーバーチの言葉〉

「今、あなたが生活しておられる世界では、精神的にそれぞれ程度が異なる人々が同一平面上で暮らしております。が、こちらへ来ると、同じ程度の人たちと一緒に暮らすようになります。(中略)生活上で交わる相手が同格の霊性を身につけた者に限られるということです。絶対に誤ることのない霊的親和力の法則によって自然にそう収まるのです。」

                                                            (The Seed Truth

 

「霊界では、心が真の生きる喜びにあふれ、各自が自分に合った仕事に忙しく携わり、芸術の花が咲き誇り、すべての者が奉仕の精神を抱き、自分が持っているものを持たざる人に分け与え、知らざる人を教え導くことを心の底から願い、情熱と生命力と喜びを持って他者への奉仕に励んでおります。」

                                            (Silver Birch Speaks)

 

 

 

 

 

《後半の学習》

 

スピリチュアリズム普及会のホームページより抜粋した内容を輪読しました。

スピリチュアリズムに出会い“再臨したイエス”と共に人類救済の使命を果たそうと決意をした瞬間に、より多くの貢献ができるように霊界が働きかけを開始します。イエスの弟子、部下、兵士として働くに相応しい内容を身につけるため背後の霊が霊的成長の道へ強烈に押し出してくれます。これまで水面下に潜んでいた問題や信仰の決意を試されるさまざまな試練も起こってきます。しかし、この道を通らなければ“霊的宝”を得られず、これまでどのようなときも守り導いてくれた守護霊・背後霊の

無償の愛と苦労に報いることはできません。

真理を手にし常に霊界と共に歩むことを知った以上、誰もが弱い自分と向き合い懸命に自分を乗り越える努力をしていくことになります。そのための勇気と希望が与えられ、魂が鼓舞される内容です。

 

 

スピリチュアリズムの思想[Ⅲ]     10. 霊的人生における理想と現実の問題

                        ――霊的真理の実践における理想追求と現実の壁

                                     

 

1)完璧な歩みができない地上人と、高級霊が示す高いハードル

・“井の中の蛙”に等しい地球人類

・地球人類にとって、完璧な歩みは不可能

「それは不可能なことです。が、そう努力することはできます。努力することそのことが性格の形成に役立つのです。」

                                       シルバーバーチの霊訓(5)P191

・実行不可能と知りつつ、高いハードルを示す高級霊

「完全であるように努力しなさいと言っているのです。それが地上生活で目指すべき最高の理想なのです。」

                                       シルバーバーチの霊訓(5)P191

「私たちも、どうせ今すぐには実現できないと知りつつ、理想を説いております。もしも私たちが努力目標としての理想を説かずにいたら、与えられた使命を全うしていないことになります。目標の水準は高めないといけません。低くしてはいけないのです。」

                                スピリチュアリズムによる霊的進化の道しるべ P132

2)常に高い目標に向かって努力することが大切

・優しさと慰めを真っ先に求める地上人

・厳しい内容を受け止めてこそ、霊的成長が可能となる

・自分自身に対する厳しさの必要性

・まっすぐ高い目標を目指して進む

・自分なりの精いっぱいは、自己正当化の言い訳にすぎない

3)自分自身に対する絶望と、闘いの連続

・真剣な歩みに比例して深まる、自己の醜さ・足りなさの自覚

・自分自身への絶望

・大事なことは「闘いを諦めないこと」

4)地上は、失敗から学びながら霊的成長の道を歩む所

・地上は失敗から学ぶ所

・これまでの失敗は、今のための準備であった

「過去はもう過ぎ去ったのです。これまでに犯した間違いはお忘れになることです。皆さんは間違いを犯しそれから学ぶために地上へやって来たようなものです。過ぎ去ったことは忘れることです。大切なのは今現在です。今、人のためになることをするのです。」

 

 

 

 

✿参加者の感想

 

●霊界での霊的グループとそこでの共同生活、仕事がいかに素晴らしいことかと感動しました。しかし、そんな理想郷とも呼べる霊界での生活は、どこか違う場所で起こっている話だと現在の地上での生活と切り離して考えてはいけないと思いました。本来私たちも霊界の住民であり、霊界人の姿が本来の人間の姿であるということを自覚しなければいけないと思いました。地上の人間も地上界にいながら、霊的意識を優先させて本来の姿である霊界人のあり方に(肉体をまといながら)少しでも近づく努力が重要だということを霊界での生活を通して学ぶことができました。

霊界でのメインの生活の準備のために、地上生活を霊的真理に沿わせて歩みたいと思いました。

スピリチュアリズムの思想[Ⅲ]10は厳しくもありながら本当に勇気と感動を与えてくれる内容でした。

「完全であるように努力しなさい」というシルバーバーチの言葉に力をいただくことができました。様々なところで変化や困難が出てくる中で「なにくそ負けてたまるか」と魂に火がつきました。大義の戦いのために全力を尽くそうと、改めて自己を鼓舞する内容でした。

 

 

 

●今日は、スピリチュアリスト(霊界人が地上に大きく働きかけるための道具)がもっともっと必要であるということを学びから強く感じました。そして、今霊的真理・霊的知識を手にしている私たちスピリチュアリストが、高級霊が示す高いハードルに向けて完璧でなくても実践の努力を積み重ねていくことが非常に重要であることも再認識しました。全ての失敗や過去の物事は霊的成長の肥やしになるので、自身の守護霊や霊界の助けを信頼し安心して霊的真理・知識を利他の実践につなげていけるよう頑張りたいと思います。その際頑張っている自分よがりな(利己)にならないように注意もしていきたいと思います。道具に徹するということができるよう祈りをもって進みたいと思います。

 

 

 

●霊的親和性によって自分と似たような人間、同じレベルの霊格を持つ者同士がひかれ合い、お互いを嫌うことなく常に喜びを持って生活をすることができるという霊界の素晴らしさを知り、神の深遠な愛と配慮に改めて感謝しました。この素晴らしさをできるだけ多くの人達に伝えたいのですが、なかなか真理を受け入れてくれる人は現れません。

後半の学習で学んだ「常に高い目標に向かって努力することが大切」という高級霊の言葉を嚙みしめ、日々の真理の実践と伝道活動を粘り強く続けていこうと改めて決意しました。失敗や困難に突き当たっても、霊界からの応援やスピリチュアリズムに導かれた成功を思い起こし奮闘努力を続けていこうと思います。

これからの講義発表や輪読においても、相手の魂に届くように常に向上できるよう頑張りたいと思います。

 

 

 

●死後、霊的な成長度によって決められた界層に住み分けがなされるということを学びました。ここにも絶対の法則があることに神の大きな存在を改めて感じました。また、地上に生きて霊的真理を知ることができた今、霊界の人々のように利他愛の実践をしなければ苦痛を伴うと思ってしまう程の気持ちで霊的成長の道を歩み続け、死後、霊的グループに戻った時、共に成長が出来るよう努力していこうと今回の読書会で思いました。

私たちが目指す霊的同胞世界は、下の界層に赴くという負荷がかかるような利他愛の実践を主につながっていることを感じました。

 

 

 

●今日の学習で特に印象に残ったのが霊的親和性の法則によって形成される「霊的家族」であり、その家族が共同生活を営む中で仕事をしている。喜びをもって仕事に携わり他者への奉仕活動“利他愛の実践”=霊的成長の道を歩むとの流れを学びました。その時、地上でも少しでも近づけたらと、肌の違いや人種の違いや国の違いなど、霊的観点で見れば何も違わないのにと思い、私達スピリチュアリストの責任を強く感じました。

後半の学習での輪読もどれも本当に有難い内容だと励まされました。その中でも、地上は失敗から学びながら霊的成長の道を歩む所の文言では、多くの失敗を体験してそれを「教訓」とすることができればその失敗は無駄ではなかったとありました。そして、たとえ敗北しても必死に闘ったうえでの失敗は意味があると書かれていました。この事も多くの方々に分かってほしいし自分自身も恐れず前を向いて霊的人生を歩んでいきたいと思いました。5年前、10年前私は、人として多くの失敗や間違いを犯してきました。シルバーバーチの言葉の中で「皆さんは間違いを犯しそれから学ぶために地上へやって来たようなものです。大切なのは今現在です。今、人のためになることをするのです。」この言葉を心に刻み、霊的同胞にも伝えられたらと思っています。常に「人のため」を心に歩んでまいります。

 

 

 

●霊界での生活(仕事)を知ることによって地上での生活の価値の認識が深まると感じました。私たちは利他愛の実践によって霊的成長をしていきますが、霊界ではそれが全て、それしかない、その中で成長していきます。一方、地上ではそれに加え苦しみの甘受、霊主肉従の努力が必要となり霊界より多くの葛藤の中で大きな霊的成長を得ることができる大変貴重な場であります。地上人生の様々な葛藤の中で歩みを止めてしまいそうなときもあり、理想に程遠い自分の姿を自覚したときあきらめそうになるときもあります。しかし、それを乗り越え進んでいくことに地上人生の価値があるということなので、これからも迷いながらも苦しみながらも真理の実践をしていこうと思います。

 

 

 

●霊界は今いる地上を含めた1つの大きな世界であると知り、日々がいかに霊的成長につながっているかを実感することができました。そして、“私が感じることはあなたが感じること。あなたが思うことは私が思うこと”という心が完全に通い合う霊的家族の存在を知り、霊的親和性によって出会えることに希望や楽しみを感じました。

また今日の学習で日々の学び、実践の大切さを改めて学び、ふり返ると夏以降に体調不良で参加できないなかで霊訓を読み落ち込まず気力を取り戻せたことも、それでよかったのかと驚きと感謝を感じています。一方で私は、まだ知的好奇心の域を抜けていないし、利己的なところも多いと痛感しているところです。学習を続けつつ真理の実践をより意識していきたいです。

 

 

 

●今回は、死後の世界での生活と、霊的真理を知ったスピリチュアリストがどのように地上人生を歩むべきなのかを学びました。よく「失敗は成功のもと」と言いますが、まさにそうだと思いました。地上生活では次々に苦しみがやってきて時には逃れたくなる時もありますが、やはり「霊的成長のためにも常に高い目標を持って努力し続けることが大切である」ということを意識していかなければならないと思いました。

 

 

 

●今日の学習で特に納得したのが、私達スピリチュアリストが日々の生活の中で感じる事、自分の醜さ足りなさの自覚です。それによって感じる「自分はスピリチュアリストにふさわしくない」と私自身本当にこうした毎日の繰り返しで、霊的真理を知った者にはそれ相応の責任がともなうと言う事です。自己嫌悪に陥るのです。それをその日の終わりに祈りと共に反省して又次の日に臨むと言う繰り返しを送っています。自分は本当に成長しているのだろうかと感じています。でもそれは大半のスピリチュアリストが感じ克服している内容だと言う事も、今回の学習でよく解りました。そしてそう言う事が死んだ時にどれだけ上の霊界に行く一つの手立てであるかもわかりました。今回の学習の霊界の界層も、霊的思想の大樹につながるのだと改めて認識しました。そしてそれを体系的に理解して人に伝えて行かなければいけないと思いました。

 

 

 

 

 ●「霊的成長によって赴く界層が決定する」という事実は「地上でがんばって霊的成長をしないといけない」という気持ちを新たにしました。今、地上人生では様々な霊的成長レベルの人がいるので物事1つを進めていくにも労力が必要であり、自分の力量が試されます。霊界では、自分と同じ考えである霊達が共同生活をするので楽ではあるが物足りなさを感じないのかと思いました。そして、その思いで今の生活を見た時に、これだけ考えの異なる人が集まっていて日々衝突したり、口論することも有り難く見えてきます。

後半の輪読で心に残った箇所は「私たちに求められているのは失敗しないことではなく、失敗から学びそれを糧として一歩、また一歩と上昇していくことです」というところです。どうしても「失敗してはいけない」という気持ちが強くなる時もありますが、この言葉を心にきざみ果敢に困難に立ち向かい、地上人生をがんばり抜きたいと思います。

 

 

 

●今日は従来の宗教の死後世界観とシルバーバーチの死後世界観の比較を学びました。従来の死後世界観はとても単純で地上のあり方をそのまま死後の世界へもっていったものでしかありませんでした。多層的世界観の神智学が初期のスピリチュアリズムにも影響を及ぼしていたことも学びました。その後登場したシルバーバーチの死後世界観は圧倒的に違っていて、これまでにない感動を呼ぶ画期的な内容でした。

また、後半の学習で自分に対する厳しさの必要性、自分に対する甘さを克服していく努力について、自分にあまり自信が持てないために自己正当化することが自分を甘やかしているということに気づかされました。自己の醜さ足りなさを自覚し絶望感を味わうほどに真剣に努力できるよう、失敗をものともせずそこから学びを得て霊的成長の道をまっしぐらに進んでゆきたいと思います。スピリチュアリズムに導いてくれた守護霊や背後霊の期待を裏切らないよう、感謝しつつ歩んでゆきたいと思います。